

井上夫妻は、約1カ月のハワイ滞在期間中、毎日のようにバスでオアフ島内の各地を見てまわった。サーファーの集まるノース・ショア、太平洋戦争の端緒となった真珠湾(パール・ハーバー)・・・。1日1カ所バスで訪ねて歩き、「時間を持て余すなんてことは、ちっともありませんでした」(多恵子さん)
オアフ島には鉄道がない。移動手段は、バスかタクシー、もしくはレンタカー(か、クルマを買うか)だ。圭さんがラッキーだったのは、オアフ島内のバスが乗り放題の定期券「バスパス」が安く利用できたことだ。65歳以上なら1カ月定期券が5ドル(ただし事前の手数料に10ドル必要)。多恵子さんは年齢が満たないので40ドルの1カ月定期券を買ったが、オアフ島に滞在する予定のあるシニアのロングステイヤーなら、ぜひ知っておきたい情報だ。
滞在は、コンドミニアムの『アストン・アット・ザ・ワイキキ・バニアン』。ワイキキ・ビーチに直接面しているわけではないが、有名なクレーター状の山「ダイヤモンドヘッド」が部屋から見えた。部屋は45平米ほどのワンベッドルーム(リビング+寝室)で、広さは十分だったという。ビーチへも歩いて5、6分。
「夕食後は、毎日夕日を見ながらビーチを散歩しました」
レストランは観光客向けで高いので、外食はほとんどしなかった。バスで十数分のところにダイエー(現在、経営はドン・キホーテに移行)や日系のデパートがあり、日本食のしょうゆ、わさび、つゆの素といった調味料を手に入れるのに苦労はない。さすがに値段は日本で買うの場合より割高だが、マグロや野菜は地物で安く買えた。
「買い物する場所ではほとんど日本語が使えました。通じなかったのはバスの運転手さんと郵便局くらいだったかしら」
日本語のラジオ放送やフリーペーパーもあり、「また来るとしたら、やっぱりハワイになりそう」と多恵子さんは満足げだった。
長年、電力会社に勤めたが61歳で退職。現在は悠々自適の生活を送る。海外は言葉の問題もあり「積極的ではなかったんですが、今回ハワイは日本語が通じることがわかって気持ちが少し変わったようです」(多恵子さん)
ご主人が退職前する以前の10数年前から、友人と年に1度は海外旅行を楽しんできた。フランス、イタリア、インドネシア・・・。でも「ロングステイといっても、私達の場合は、1回せいぜい1〜2カ月という単位でしょう」。
※記事は、2006年9月現在のもの。
取材者の方の年齢や略歴も当時のものです。
