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カナダ / Canada

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「ヨットで太平洋単独横断するのが夢なんだ」榎本 良夫さん

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「ヨットで太平洋単独横断するのが夢なんだ。」彼はこともなげに言う。ところはVancouver 、04 年初夏ある英会話学校の休憩時間のひと時だ。やせぎすの彼は50歳代半ば、聞けば今まで全くヨットの経験はないが、少年時代の夢を実現させるため「未だ体力のあるうちに」早期退職の道を選びその春から当地のヨット学校の一年コースに入学したという。午前中は英語、午後はヨットという生活を送っていたのだ。これが私がヨットと出会うきっかけとなった。

カナダ 滞在イメージ私は今66歳、3年前に40年間勤めた会社を63歳で退職した。日本人男性の平均寿命は80余歳、その時点であと20年ほどの余命があった。私はこの20年を、いわば「人生の配当」として、心身ともに健康に、前向きに楽しく生きて生きたいと思った。会社のかつての上司、同僚、後輩とのお付き合いは、同じ釜の飯を食べた間柄だけに、本当に楽しいし、今後も関係を大事にしていきたいが、そこでは話題はどうしても過去のことが中心となる。これでは「人生の配当」としてはいささか物足りない。ボケ防止には、外国語の勉強が最適との説がある。私はまず苦手の英会話から始めることし、カナダに出かけたのだった。新しい環境の中で、新しいことに挑戦し、新しい仲間を作りたいと思ったのだ。

カナダ ヨットそして私は、多くの老若男女の友人を得、ヨットを知ることとなった。05年春私は改めてヨット学校の6ヶ月コースに入学した。この学校の練習艇は、30フィート級のSummer Salt 一本マストでエンジンも搭載する、日本ではクルーザーと呼ばれるものだ。校長のBob はカナダ国籍を持つが北海道生まれの日本人、インストラクターはすべてこの学校でその資格を得た日本人。テキストを使っての座学も実技も全て日本語、この点は安心だ。全く初心者の私でも、ひとつずつ丁寧にステップを踏んでいけば、操船に必要はスキルがひとつずつ身についていく。ロープの結び方、セールの取り扱い、そして舵を取っての操船。クルーザーを自分で動かすなど夢にも思わなかったことを実際に自分がしているのだ。ドックを発って海に出れば、そこは自然そのものの世界。風をほほで感じ、潮を読み、地形に気を配りながら帆走する。ヨットの醍醐味だ。

ヨットの技術は奥が深く、極めるのは大変だが、初心者は初心者なりに楽しむことが出来るスポーツだ。私は今年何とかday Skipper (初歩の船長)資格を認定されたが、来年以降も毎年一月くらいはスキルを維持、向上させるためにVancouver に通いたいと思う。肝心なのは最初の一歩。逡巡せずに思い切って踏み出せばそこには未知の魅力的な新しい世界が開けてくるものだ。

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